Kenki Times

世の中のクスッとくること、小さなしあわせをアップしていきたい。

今だからこそのMr.ビーン

 

 コロナウィルスでステイホーム。自宅で過ごす時間が増えたものの、そろそろ飽き飽きしてきたという人もいるかもしれない。

緊急事態宣言は解除されたものの、どこまで大丈夫なのか、見通しも立たず困っている人も多いでしょう。

本来自由に生きられるはずなのに、自由に生きることを制限されている今現在。

困ったものですが、いずれまた普通通りに過ごせるようになることを信じて、今を乗り切らねば。

 

そんな自宅時間におすすめしたいのが、Mrビーン。イギリスで1990~95年までに放送され、大人気となったコメディ番組。え、今さら?とお思いになるかもしれない。映画もテレビドラマも、海外ドラマだって何だって見られるこの時代に、なんでわざわざMrビーンなのか。

ちなみに自分自身は大ファンだ。放送当時小学生で、大晦日に特別番組がやっていたので、全部録画してしょっちゅう見ていた。当時日本から出たこともなかったので、「え、サンドイッチってこうやって作るの?(違う)」「へ~車ってこうやって運転もできるんだ~(滅多にない)」とカルチャーショックを受けていた。色んな違いがあることに驚きながらも、それを見て楽しんでいた。

 

そんなMrビーン。舞台はイギリス。コメディというのはその土地のリアルを映し出す。

先日亡くなられた志村けんさんもよく使っていた手法だが、コメディは典型からのハズしで笑いを生む。

例えば8時だヨ!全員集合での警察ネタ。これも当時の人々が抱いていた警察のイメージがあったからこそ人々は笑ったのだ。

 

理容室、デパート、電車、学校。すべて我々からしたら異国の番組であるMrビーンも、イギリスの典型的なものを教えてくれる。それに90年代前半のイギリスは、スマホも電子機器もなく、異国情緒あふれているが、どこかホッとする。どこかノスタルジックなのだ。

Mrビーンのテーマは、いつも何気ない日常の風景。デパートに買い物に行ったりピクニックに行ったり、文化祭に行ったかと思えばクリスマスを友達と過ごし、日曜大工に精を出したかと思えば、時にはガールフレンドにフラれる。

そこでひと悶着あるのだが、その何気ない日常が見ていてホッとする。

その日常は確かに日本人からしたら非日常なんだけど、なんというか「非日常な日常」に安心感を感じてしまうのだ。

 

そしてMrビーンと言えば、ブラックジョーク。確かに今見てみると、「あっ、、これはアカン」というところが、良識ある人間なら見えてくると思う。大人になって見てみると、ああこれは子供っぽかったんだなって思ったりもする。

これは日本のコメディ、というか大概のコメディではあまり大っぴらにやってないので、好き嫌いはあると思う。でも、逆にこのブラックジョークに、時には癒されたりもする。おそらく大人で普通に働いている今だったらまずしないだろう。ドン引き。でも、それはフィクションの世界であって、それが非日常の世界なんだから、それを楽しめばいいのだ。ペンキを爆発させて部屋の色を変えてみたり、デッキブラシで車を操作したり、赤ちゃんのおむつをぬいぐるみで変えたりするなんて、なかなかできない。

 

時にはマッチョの空手マンにコインランドリーで邪魔されたりする。ビーンはそこで、やられたらやり返す。しかも見ているこっちもハラハラするくらい細心に、しかし大胆にやり返している。自分がしたこと、やられたことに対して、何かしらの反応をしようとするのだ。そこが見ていて好きなところ。

自分自身が好きなエピソードは、ビーンイースターに教会に行って讃美歌を歌うシーン。自分が知っている「ハーレールーヤー!」は大声で歌うのに、分からないところは急に黙り込んでぼそぼそ言ってる。なんだかわかる気がして面白い。

後は電車に乗って本を読むシーン(ここも今だったらスマホになるんだろうけど、個人的に古き良き何かが好き)。そこで同席した乗客が大笑いを始めてしまう。それに耐えかねたビーンはあの手この手でしのごうとするのだが、途中からどんどんエスカレートしていって、どっちがおかしいのか分からなくなってくる。同席した乗客(当時の人気コメディアンか何かなのだろうか)の笑い声が面白くて、そこだけで笑ってしまう。

 

今ならアマゾンプライムやネットフリックスなど、一通りの動画サービスで見れるし、DVDでも販売している(YouTubeでも見られる)。エピソードは全部で13ある。英語だが、字幕もあるし、大体ジェスチャーでやってるのであまり語彙力は必要ない。

書いてみたらまだまだ語り足りない魅力があるんだなって思った。

自由を制限されている今だからこそ、自由に生きているMrビーンに出会うことは、意義があると思う。